大型の3Dプリンターを使ってデザインコンペの最優秀作品をオブジェにしました。造形物のみならず支柱の金物部分についても対応しました。
イオンモール幕張新都心のリニューアルプロジェクトの一環として新設された空間「エキマエラウンジ」に、大きな蝶のオブジェを納品させていただきました。
このオブジェは、“感じるエシカルオブジェ”をテーマに開催したデザインコンペの最優秀作品『再生の蝶』をもとに製作されたものです。色とりどりの蝶の羽には、新聞紙や木の端材、ハギレなどのリサイクルや再利用によってもう一度活躍できる素材がレイアウトされています。
日の出工芸は、この蝶の胴体と羽および支柱の製作協力をさせていただきました。
当初は羽と胴体の製作をご依頼いただきましたが、打合せを進めていく中で支柱部分についても弊社にお任せいただくことになりました。
作品を支える大事な箇所なので、造形物と合わせて手配することで寸法のずれなどのトラブルを防ぐことができます。
丹青社様からいただいた3Dデータを適宜調整しました。
データ調整の時点でどのように印刷していくかを綿密に設計する必要があります。
特に印刷の向きや、サポート材(印刷中の液垂れを防止するために挟む異素材)の付け方が不適切だと造形の失敗に繋がりかねません。
全体を複合的な視点で見ながら適切に調整していく技術が求められます。
右羽、左羽と胴体の3か所を、それぞれ1.8mまでプリントできる大型プリンターで出力していきます。
印刷所要時間はサイズとデザインで変わってきます。今回の大型で複雑なデザインでは、羽1枚あたり25時間ほどかかりました。
胴体の左右に芯を取り付け、そこに羽を差し込む形で組み立てました。
弊社では出力後に研磨とパテ埋め処理を行っています。上の画像にはパテの跡が見えますが、その上に塗装をすることで気にならなくなります。
塗装仕上げは珍獣使い様にご担当いただきました。全体をマットブラックで塗装し、窪み部分にカラフルな素材が組み込まれ、美しい蝶が誕生しました。
今回のように大型で、かつ複雑な3D造形をご依頼いただくことは弊社としては初めてのことでした。
そのため試行錯誤もありましたが、丹青社様と珍獣使い様のご協力があり、無事に納めることができました。
蝶のオブジェの小型版を、カラー3Dプリンターで出力してみました。
着色された状態でプリントできるので、カラフルで複雑な模様も忠実に再現できました。手のひらサイズがかわいいですね。
千葉大学×イオンモール幕張新都心×丹青社によって「Ethicalな場づくり」をテーマに計画されたエキマエラウンジ。その中心でひときわ存在感を放つこちらのオブジェは、千葉大学の学生を対象としたデザインコンペから選ばれた最優秀作品です。
“蝶には再生・復活のメッセージがあります。
―エキマエラウンジ内 掲示物より引用
台座の足元には、私たちの生活から廃棄されるモノたち、
その先に二度目の役割を得た材料が羽に彩りを与えています。”
このオブジェは普段私たちが簡単に捨ててしまうゴミの中にも、本当は再利用できる素材がたくさんあることを教えてくれます。
エキマエラウンジにはその他の優秀作品が展示されていたり、衣料品回収ボックスが常設されるなど、エシカルを意識した休憩スペースとなっています。
ショッピングの中休みに立ち寄って、ご家族でエシカルについて考えてみるのも素敵ですね。
納入先 | イオンモール幕張新都心『再生の蝶』 |
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業態 | 商業施設 |
納入時期 | 2023年9月 |
製品 | 3Dプリンター製品 |
素材 | UV硬化樹脂 |
取引先ほか | デザイン:千葉大学 中原穂乃花 アートディレクション アート装飾:珍獣使い 江口真悠加
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